「『サザエさん』的コミュニティの法則 」とは

「『サザエさん』的コミュニティの法則」は鳥越皓之氏が著した新書で、2008年に出版されました。
現在、一般的になっている核家族の方々が、どうして祖父と祖母のいる三世代同居である、磯野家を羨ましく思い、憧れるのかという論点。

またちょっとした親切や信頼感、異世代交流を重要視しなければならないのか、人を育てるための地域社会の法則を磯野家が生活する町からヒントを得て、説明している。
このような架空の町を、社会学、民族学、文化人類学の実証的研究から、人々の「関係性」について読み解こうとしているのが、本書です。

著者である鳥越皓之氏は早稲田大学人間社会学学術院教授であり、社会学、民俗学、文化人類学から日本や近隣諸国のコミュニティについて研究をしています。
町作りや環境やコミュニティのプロが、磯野一家が生活する町やそこで実践されているコミュニティについて徹底的に読み込んでいくようです。

目次と考察

「『サザエさん』的コミュニティの法則 」の目次から、第1章でサザエさん家族とクレヨンしんちゃん家族の比較をおこなっています。
サザエさんの家族といえば、日本を代表する3世代家族です。
一方で、クレヨンしんちゃんの家族は日本を代表する核家族です。

この2つの家族を比較して、どちらの家族がいいのかを比較するというのは大変面白い試みであると同時に、コミュニティを論じるならば、とてもわかりやすい検体であるといえます。
第3章ではコミュニティが担う「平凡教育」というのがあります。

平凡な社会を満喫するのが、磯野家が住む町のコミュニティです。
このような平凡な町社会がコミュニティとなっています。

第4章では「見返りを期待しない親切と「サザエさん」の笑い」というのを論じています。
見返りを期待しない親切とは、すでに現在では見ることができなくなった昭和のコミュニティを代表する町の形です。

お節介な人も、おすそ分けをくれる人も、そして困っているときにお手伝いをしてくれるような人も現在の社会ではほとんど希少な存在ですし、そのようなことをおこなうと逆に疎まれたり、警察を呼ばれたりするようなことも多々あります。
現在では、存在することがゆるされないコミュニティについての考察を「『サザエさん』的コミュニティの法則 」はおこなっています。

サザエさんの住む町を実現するには

磯野家が住む町は当然架空のフィクションの町であり(モデルの町は存在する)、現在ではこのような密接な地域社会を持つ町は存在しません。
しかし、磯野家が住むフィクションの町を、つまり人が人を育て、幸せにする地域社会をつくるための要素やコミュニティの再生の方法や手法がこの「『サザエさん』的コミュニティの法則 」には書かれています。

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