サザエさん一家から学ぶ家族のあり方はたくさんありますが、そのあり方には住宅の造りも影響しているものだと思います。磯野家は昭和の時代の家にしては大きいと思いますが、注目すべきはその造りです。

平屋で茶の間を中心に置いた造りは、昭和30年代前半までにはよく見られていた間取りのようです。この当時の住宅の造りの特徴は、部屋と廊下が直接つながっていないということです。
たとえば磯野家の間取りを見ると、洗面所や浴室に行くには茶の間を通る必要があります。茶の間とは今で言うところのリビングですが、特定の部屋に行くまでには家族が集まるリビングを通らないといけないような造りになっています。

対して、現代の家の造りの特徴としては、廊下から全ての部屋につながっている間取りになっています。そのためプライバシーは守られますが、食事が終わりリビングから離れれば朝起きるまで顔を付き合わせる場所がなくなります。また、縁側がないため、庭を眺めながらゆっくりお茶をするということもないですし、近所との付き合いを隔てるかのように高い塀や生垣を造ります。

つまり現代住宅は個人を尊重するあまり、コミュニケーションを取るにはいささか難しい造りになってしまっているようです。親と同居の2世帯住宅にしても、1階は親の居住スペース、2階は若夫婦の居住スペースとして分けている2世帯が最近増えています。しかも、玄関まで別にしている2世帯住宅もあります。

同じ屋根の下に暮らしていても、関わり合いにならないように仕切ってしまっているようですが、これじゃあマンションやアパートと変わらない様な・・・?
同じ建物内に住んでいてもお互いの動向を知ることがないような気がして、トラブルがあった際に対処できるのかなと感じてしまいます。まあ、相手の親との同居も神経をすり減らしますから、それならなるべく関わり合わないようにした方がいいのでしょうか?それにしてもマスオさんはうまくやっていると思います。

ただ、2世帯に限らず、今は家族とのコミュニケーションよりも、住みやすい住宅であるということの方が重要になってきています。部屋から部屋へ移るときの利用のしやすさ、収納スペースは確保できるか、光を取り入れることができるかなどです。こういったことも重要ですが、その前にコミュニケーションをとれる家造りの方にも注目してみて欲しいですね。

そういった住宅設計は、ただ単にコミュニケーションを取るということだけではなくて、子供の行動を監視するという意味でも必要なことだと思います。また、子供の学力アップには個人の部屋で勉強させるよりも、家族がいるリビングで勉強させた方が頭がよくなるとも言われていますしね。

最近では昔のような家造りを提案する建築会社も増えています。子供の成長は家族とのコミュニケーションが重要だと理解した上で、暮らしやすくもあり家族のコミュニケーションを考えた住宅造りをしてくれるとのことです。

これから新築を建てたり、新居を購入したり、リフォームを検討している方は磯野家の間取りも参考にしてみてください。住まいの変化で失ってしまった家族とのつながりを、取り戻すことが出来るんじゃないでしょうか。

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