サザエさんはホームドラマのようなアニメですが、近所や周辺の人々とのつながりもサザエさんという物語には欠かせません。サザエさんの近隣の付き合いといえば、お隣の伊佐坂家、裏の家のおじいちゃんとおばあちゃんがいます。

フネさんと伊佐坂家の奥さんであるお軽さんは塀越しによくお喋りしていますが、ただ隣の家の人ということだけではなく、女学校時代の同級生です。また、波平も伊佐坂先生とよく囲碁や将棋を指しています。

裏のおじいちゃんとおばあちゃんの家には、タラちゃんがよく遊びに行っていますよね。田舎ではこういった風景もまったく無いわけじゃないですが、やはり東京だと珍しいものだと思います。
お互いの家を行き来するようなご近所付き合いは、昔なら当たり前にある光景でした。

また、助け合いの精神で、雨が降ってきたら隣近所の方が洗濯物を取り込んでおいてくれることもありました。私が子供の頃はまだ、サザエさん一家のような付き合いが確かにあったのですが、引越しと同時になくなってしまいましたね。近所の家に行き来するようなことはないですし、そもそも気軽に尋ねられる雰囲気じゃありません。
「お醤油きれちゃったから、ちょっと貸して〜」とたずねた際には、「なんて図々しい人だ」とご近所付き合いを悪くしてしまう可能性だってあります。ましてや「人を見たら泥棒と思え!」の時代ですから、近所の人だからといっても安心は出来ないのかもしれません。

でも、相手の気遣いから出た優しさを、お節介だとか干渉だとか捕らえてしまう人がいることが近所付き合いの希薄さを増長させているようにも感じます。「遠くの親戚より近くの他人」という言葉もあるように、ご近所付き合いが何かのトラブルを救ってくれることになるかもしれません。

助け合いの精神は昔なら生きていたでしょうが、今はそういった感覚が希薄化しています。
地元を離れることで慣れ親しんだ近所の人とのつながりも切れてしまうことから、助け合う・触れ合う・コミュニケーションを取るという感覚が薄れてきているようです。
そもそも都会では人が多すぎて、困っている人がいても「自分以外の誰かがどうにかするだろう」「みて見ぬ不利は自分だけではない」という意識が個々に働いてしまいます。そうして誰も動かないことで被害者が出たりすることもあります。

こういった現象は集団心理の一つで「傍観者効果」と言うようです。確かに、分らなくもない・・・。
ただし、集団心理を利用したある実験では、周囲に人が少ない状況で誰か困っている人がいると、個々に助けてあげようという意識も働きました。つまり、周りにいる人の多さが助ける行動を抑制してしまうんですね。

まあ、サザエさんのような性格からしたら、周囲にどれだけ人がいようが率先して助けに行くでしょう。ドジで先走り気味なところもあるサザエさんですが、人がこうあるべきというような、人としてのお手本にもなってくれているんじゃないでしょうか。

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